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特集
2021年4月9日
【総料理長にこだわりを聞く!シリーズ】~第2回~
当ホテルの総料理長である金子シェフに、料理や調味料、道具へのこだわりを聞くシリーズ。
第2回目の今回は、金子シェフが使用している包丁について話を聞きました。
—-金子シェフが普段使っている包丁はどういったものでしょうか。
色々ありますが、よく使うものは3本あります。
まず1つ目は文化二年創業の老舗「堺刀司(さかいとうじ)」の和包丁。2つ目はグレステンの「筋引き包丁」。3つ目は鉄板の上で扱うカービングナイフといったところでしょうか。
—-それぞれ、どんな時に使用されますか?
1つ目の堺刀司の岩国作出刃包丁は、もっとも付き合いが長いものです。
魚を捌く際に使用します。グアムでもマヒマヒやラプラプなどといった魚を捌きました。海外の調理スタッフたちも皆欲しがっていました。
サーモンでも平目でも私はこの包丁を使って魚を捌きます。
こちらの「堺刀司」は仁徳天皇陵の築造工事に始まり、室町時代の鉄砲や日本刀の製造、江戸時代のたばこ包丁製造など、時代とともに発展を遂げた二百年以上の歴史がある調理器具ブランドです。切れ味が長持ちするとても使いやすい包丁です。
2つ目の筋引き包丁はホンマ科学社製のグレステンで、文字通り肉の筋を切るときに使われるものです。硬度が高いグレステン鋼で出来ており、刀面に溝がある特殊構造の包丁で、ローストビーフやステーキなどはもとより、魚の薄切りにも使いやすく、私は野菜を切る際にも使用するので、オールラウンドです。こちらの包丁は私が27歳の頃(このホテルで働き始めた時)から使用しております。
3つ目のカービングナイフは、鉄板の上で直接調理をする際に使用します。こちらは鉄板の上で肉を切る際に使用するため、どうしても寿命は短いですね。今使用しているものは5代目です。鉄板焼きの際、お客様の前でよく使用するため、オーダーメイドで作った専用の鞘を腰につけて、そこに納めています。
—-それぞれの用途によって包丁を選ぶことがとても大切なのですね。長く使い続けていくために、どんなメンテナンスをされていますか?
使うたびに庖丁を研ぐ、というごく当たり前のメンテナンスです。
堺の包丁は材質がモリブデン鋼やステンレス製の物と違い錆びやすいので、洗浄したあとはよく乾燥させます。
—-金子シェフが包丁を選ぶ際のポイントは何でしょうか。
そうですね、一番大切なのはフィット感ですね。握った時に手に馴染むことですね。何年も着ていくうちに体に馴染んでいく革ジャケットのように、包丁も使えば使うほどしっかりと手に馴染んでくれます。包丁に限らず、私は色んなものをたくさん集めるよりも10年、20年と長くそばに居てくれるものを大切に使っていきたいと考えています。
—-ありがとうございました。金子シェフの道具に対する想いがとても伝わった回だと思います。次回はスケッパーや鉄板焼きで使用する道具についてご紹介します。
それでは皆様、次回もお楽しみに!
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